みかんの試食バイトに行ってきた話
冬に入ってから死ぬほど金がない
なぜかはわかっている
冬服を買い足したからだ
トップス、ボトムス、アウター、ブーツ
去年までのものをすべて捨ててすべて買い足した
あまり高い服は買っていないにも拘らずまともな日常生活がすごせるようになるまでにたくさんの諭吉を費やしてしまった
あかん、このままではあかん
そう思った私は久しぶりに派遣スタッフのバイトに電話をかけ、暇な休日に仕事を申し込んだ
それがスーパーのみかんの試食バイトだ
みかんの試食はとても楽だった
まず、調理をしなくてよい
皮をむき、ひと房ずつにちぎってつまようじにさして渡す
めちゃくちゃ楽だ 知らない人と話すのも宣伝もそこまで苦手じゃない
スーパーの人は軒並み優しく時給も労働の割には高かった
ただそのみかんがちょっと割高めの高級みかんだったことが難しいところだった
となりでは半額以下の安みかんが大量に売っている
当然比べれば味はめちゃめちゃちがう(たぶん)
高いほうは甘くてジューシー、内皮も薄くみかんof the みかんといったかんじだ
安いほうは食べてないが(たぶん)差は歴然だ(たぶん)
しかし、見た目は変わらないおなじみかんだ
私の勧めたみかんを食べた奥様方は皆みかんの値段を見てちょっと高いわね〜と去って行く
すっごくおいしいわねーみかん食べたくなっちゃった!と隣の安みかんを買っていく者もいる
違う
たしかに同じみかんだがそっちは試食したみかんとは違うんだ
そっちはすごくおいしいわけでもない普通のみかんなんだ
気づいてくれ奥様方!
心の中で叫ぶもむなしく、高級みかんはそんなに売れずにバイトは終わった
大声で一日宣伝してたので喉が痛かった
特にノルマなんかはないから私には関係はないのだが
あの日の高級みかんの売り上げは完全に私の日給を下回っている気がする
安みかんの売り上げには大いに貢献した気もするが、安いものなんて大して宣伝しなくたってあるだけで勝手に売れる
社会ってどこからお金が回ってくるのかな、、、と思った秋でした
以上です